勇者のくせになまいきだ
私が18、19の時だったかな。
体調の問題で親に甘えてニートをしていた時に近所のゲオで叩き売りされていたのがこの「勇者のくせになまいきだ。」である。
当時、全くもってこのタイトルは知らなかったが、私がまだピッチピチのJKだった2007年に発売されたゲームであり、後になんとシリーズ化までされたタイトルである。
購入に至った経緯は、この独特なネーミングセンスとしか言えない。
前述のとおり、私は体調の問題で極力歩くことを制限されていたため、暇を持て余していた。
モンハン2G目的で買ったPSPも他にやりたいと思うような目ぼしいタイトルがなく、正直に言うと「なんでもいいからゲームしたい」という目的で購入したのだ。
今思うと、ニートになる前までの少ない貯蓄で何故このタイトルを選んでまで購入したのかは非常に疑問ではあるが、結果としては悪くなかったのでいいだろう。
このゲームの特徴のひとつとして、画像がレトロゲームのようなドットであることが挙げられる。
2007年当時のプレイステーションといえばPS3が発売して間もなく、グラフィックは美麗なものが多かった。例を挙げるとするなら、CODやグランツーリスモ5が発売された年でもある。
しかし、そんな最中何故かこの懐かしのドット絵が目を引いたのだ。
ストーリーは、通常の王道RPGの全く逆を描いた作品になる。
通常、王道RPGといえば、勇者が国を守るためや捕らわれた姫を救い出すためという設定が多いが、勇者のくせになまいきだシリーズではすべて、その勇者が攻めてくるダンジョンを構築する側で、プレイヤーは「破壊神さま」としてダンジョンを創り上げる、当時としては新鮮味のあるゲーム性が受けたのかもしれない。
この作品のいちファンとしていうのであれば、マリオメーカーなど古いわ、ようやく任天堂が時代に追いついたなレベルで当時は革新的だった。
かくいう私もその一人で、クリアするまで毎日食事、排せつ、風呂のギリ人間の尊厳を保つ行動以外は部屋にこもってプレイしたほどの中毒性を誇る。
このゲームの魅力は、主に簀巻きにされている魔王にもある。
魔王よりも上司である破壊神というプレイヤーになんとか勇者を倒してくれと懇願してくる様もまた可愛げがある。
何故なら、このゲームのダンジョンの底で囚われているのはお姫様でも住民でもなく、簀巻きにされた魔王なのだから。
魔王サイドからしたらたまったもんじゃないですよね。破壊神に簀巻きにされた挙句、勇者に攫われて・・・。そりゃ必死にもなりますが、その様がまた見ていて面白い。
勇者が抜け出すことができないダンジョンを作る。
それだけの単純な内容にも関わらず、シリーズ化されるほどの人気を誇る理由として挙げられるものがもうひとつ。
迷路のように穴を掘っていくだけではなく、掘る場所に魔物が沸く。その魔物達は生態系を成し、生態系の上位であればあるほど勇者への与ダメージが高くなる。
たくさんの下位魔物のたまり場を生み出すだけでも勇者へのダメージはでかいが、上位たまり場ができれば勇者が魔王に接近する前に倒すことができる。
この生態系システムこそが、このゲームの奥の深さを作り出しているのだろう。